しばらく使っていなかった定期入れは、眠らせておけばよかった。
中から古い切符がひとつ出てきて、それの意味を理解した途端に指がふるえて、次に体も、泣きそうだった。
あのころ、地元の駅はまだ自動改札ではなかった。
駅員さんが改札に立っていないときもたまにあって、そういうとき切符は置いてくる。
でも、あの日だけは持ち帰った。
ほしかった。
あれから泣いていない。
中から古い切符がひとつ出てきて、それの意味を理解した途端に指がふるえて、次に体も、泣きそうだった。
あのころ、地元の駅はまだ自動改札ではなかった。
駅員さんが改札に立っていないときもたまにあって、そういうとき切符は置いてくる。
でも、あの日だけは持ち帰った。
ほしかった。
あれから泣いていない。
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